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平成21年度「自立支援調査研究プロジェクト」の実施について

事業概要

障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)は、平成18度よりスタートした障害者自立支援法の施行にあたり、障害者の就労支援、地域移行、地域生活支援等を推進し、その自立支援の充実を図る上からも、地域における様々な工夫や取り組を積み上げ、その普及を図ることが必要不可欠であると考えられることから、そうした取り組みに対して調査研究を行い、その結果や成果を事業に反映し、円滑な実施を図る中で、同事業への理解と普及を図る目的で設けられた事業です。

なお、この事業においては、別添資料(平成21年度障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)募集について)に定められているように、広く調査研究テーマを公募し、応募案件の中より目的が適切と認められた応募調査事業に対して助成が行われると同時に、その調査研究の成果は、障害者に対する保健福祉サービスの一層の充実及び障害福祉計画の円滑なる推進の上において一人でも多くの自立。社会参加を望む障害者のために反映することが目的とされ求められています。

【参考資料】

厚生労働省ホームページ

平成21年度障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)募集について

事業内容

○障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)

特定非営利活動法人 バーチャルメディア工房ぎふ

事業計画

  1. 事業名:障害者の在宅就業を活用した新たな職域に関する調査研究
  2. 事業実施(予定)期間:平成21年6月12日から平成22年3月31日まで
  3. 事業内容:
    情報通信技術の発展や普及により、これまで移動等の問題から一般就労が困難とされてきた重度障害者にとって、在宅就業は、働き方の可能性や就業機会の拡大の上から重視され、全国的に取り組みが進んでいる。
    そうした中、平成18年に障害者の雇用促進法が改正され、在宅就業の位置づけと厚生労働大臣による在宅就業支援団体の登録制度が設けられた。平成10年より在宅就業の支援に取り組んできた当法人においても、取り組みの更なる拡大展開に向け、それまで受けてきた国の「重度障害者在宅就業推進事業」に続き、いち早く「厚生労働大臣(登録)在宅就業支援団体」を取得(2100001)した。しかしながら、登録より3年を経過し、初めての更新を迎えた今年5月の時点において、この制度に該当する企業からの発注業務は一件も発生していない。このことは、当法人に限定されていることではなく全国の登録支援団体においても同じような状況にあり、中には更新を取りやめたり、取り組み自体から撤退を余儀なくされた団体も出てきている。
    勿論、こうした状況を考えた時、支援団体側の素養の不足や、制度に対する普及啓発活動の努力不足も要因の一つと考えられるが、発注側である企業等の、こうした新制度をはじめとし、雇用・就労をも含めた障害者に対する理解と認識の不足や、社内制度や支援体制等の問題点等から、その対応が難しいと誤解し、取り組みを躊躇している部分も少なくないと考えられる。
    このことは、障害者の雇用・就労の上において法定雇用率がなかなか遵守されない現状にも通ずるものがあり、ましてや在宅就業という新しい障害者の職域において、発注が発生し難いばかりか、その業務内容/巾が限られていることは否めない。
    このような現状を鑑み、過去に関わりを持ってきた国の事業の中における成果としての障害者在宅就業事例を活用しながら、これまでの取り組みの中でも浮上してきている、(1)企業側が求める働き手/戦力としての障害者像、(2)企業が必要としているスキルや、(3)企業等が障害者在宅就業では難しいと誤解を抱く仕事など、顕在化していない障害者在宅就業の需要を掘り起こし、企業等からの発注を促進させ、職域を拡大させるような、どちらかと言えば、これまでの受身的、自然発生的発注に活路を求めていた取り組みから一歩も二歩も踏み出し、あくまでも発注側の企業等の立場に立ったアンケート調査を岐阜県内の企業1,229社について行う。
    その調査結果を基に、障害者在宅就業と結びつけるために、全国の障害者在宅就業支援団体や、就労を希望する障害者に対して調査を実施し、(1)新たな職域に成りうるのか分析すると同時に、(2)複数事業所/支援団体間においての連携により受託を行うことで、一般就労が困難な障害者でも、住み慣れた地域で継続的に安心して働き、暮らせる仕組みの構築に向けて検討をすすめる。
    なお、調査研究で得られた成果は、岐阜県を中心に、インターネット等を利用して全国の企業等や障害者・団体に向け、研修報告会などを実施し普及啓発に努める。
  4. 参考資料-取り組み解説図

  5. 調査研究に期待するもの:
    企業等側からの、就労現場における戦力としての障害者に求められている能力(単に頭脳的なものだけでなく、働く上に置いて必要と考えられるコミュニケーション手段の確保や、体調の把握と管理、通勤手段の確保、職場における人間関係の維持ほか)や、必要と考えられている様々な要件を明確化することにより
    1. 従来より行っている職業訓練や就労に向けての各種研修の実施において、より目標を明確に定めることが出来、分野別により専門性の高い内容の取り組みが実施できると同時に、これまで課題となっていたメンタル面における職業リハ面での対応も促進可能となる。
    2. これまでの取り組みにおいて、企業等の相談の中で求められていた専門分野での求人や在宅就業分野への業務発注等の上において、人材育成やスキルアップの取り組み/支援の上からも、より対応がし易くなると同時に機会が拡大できる。
    3. 企業側の求人や業務の発注に対し、受け身の体勢から、きめ細かやかで幅広い人材体制による対応により、企業側の障害者及び就労への理解が深まることにより、より機会が増える。
    4. 雇用・就労の機会が広がり、そこで理解と真の評価がなされることにより、新たな職域が発生する。
    5. 企業等の理解より発生した職域により、在宅就業も含め、就労可能な障害対象者の増加につながる。
    6. 一般就労における法定雇用率の問題を始め、障害者雇用促進法の改正で創設された在宅就業支援制度への理解が深まると同時に、より円滑な実施/発注業務の増加と就労の機会の促進が見込まれる。


    ※ 当事業による成果/調査結果をふまえ、当法人の取り組み上への反映はもちろんのこと、全国で展開をしている各支援団体と連携をとり、一般就労が困難な障害者でも、住み慣れた地域で継続的に安心して働き、暮らせる仕組みの構築と、業務の拡大促進に努めると同時に、調査研究で得られた成果は、研修報告会等の実施並びにインターネット等を利用して、岐阜県を中心に全国の企業等や障害者・団体に向け、普及啓発に努める。

  6. 調査方法について:実際の調査については、
    1. 県内企業1229社に対して
    2. 調査事業計画書(1)の詳細ページへ

    3. 就労を希望している障害者 約200名に対して
    4. 調査事業計画書(2)の詳細ページへ

    5. 全国の在宅就業支援団体(厚生労働大臣による登録)16団
    6. 調査事業計画書(3)の詳細ページへ

  7. 調査研究の成果について:
    1. 在宅就業を含め、就労を希望する障害当事者並びに全国の在宅就業支援団体との連携により、一般就労が困難な障害者でも、住み慣れた地域で継続的に安心して働き、暮らせる仕組みの構築と、業務の拡大促進に活用する。
    2. 研修報告会等の実施並びにインターネット等を利用して、岐阜県を中心に全国の企業等や障害者・団体に向け、普及啓発に活用する。

事業報告

(1) アンケート調査結果

  1. 調査目的:
    事業所:
    企業等が求めている業務内容や要件及び障害者雇用の現状
    障害者:
    企業等側の業務内容や要件に対して、障害者側の障害者特性や生活環境など
    支援団体:
    各支援団体の現状、企業や行政及び障害者に対する各団体の意見
  2. 調査方法:
    調査票を郵送し、同封の返信用封筒に回答用紙を回収する方法。
     [送付部数]
    事業所:
    1229件
    障害者:
    266件
    支援団体:
    16件
  3. 事業内容:
    事業所:
    岐阜県内に事業所をおく企業等、(社)岐阜県雇用支援協会(旧障害者雇用促進協会)の会員
    障害者:
    過去にバーチャルメディア工房ぎふが開催する研修等を受講したことのある方や就業に関する相談に訪れたり問い合わせを頂いた方など
    支援団体:
    全国の厚生労働大臣登録の在宅就業支援団体
  4. 調査期間:
     [調査の実施期間]
    事業所:
    平成21年10月15日~10月31日
    障害者:
    平成21年12月1日~12月16日
    支援団体:
    平成21年12月1日~12月16日

    (調査時点は原則として回答する時点での状況である。)

  5. 調査方法:
     [調査の有効回答数]
    事業所:
    335件であり、回収率は27.3%
    障害者:
    78件であり、回収率は29.3%
    支援団体:
    9件であり、回収率は56.2%
  6. 調査方法:
     [障害者の在宅就労に関するアンケート調査結果]
    事業所:
    PDF版(376KB)WORD版(150KB)
    障害者:
    PDF版(286KB)WORD版(118KB)
    支援団体:
    PDF版(293KB)WORD版(107KB)

(2) 調査結果のまとめ

障害者の在宅就業の新たな職域に関する調査結果のまとめ

(3) 就労の好事例

岐阜県における「働く」障害者の好事例

(4) セミナー開催報告

たくさんの方にご参加いただきありがとうございます
皆様のご協力により在宅就業セミナーは無事に終了いたしました

第5回在宅就業支援セミナー障害者の雇用・就労において、昨年より続く景気の低迷や、制度や支援施策等々の上で、大きな変革が予想されます。
当法人では、「障害者の在宅就業を活用した新たな職域に関する調査研究」を取り組んでいます。
そこで、この取り組みにご理解とご協力をいただきました県内の事業所や障害者に加え、全国の在宅就業支援団体の声を集約する中で得られた成果をもとに、障害があっても無理なく能力を発揮し社会の一員としての「障害者のあり方」と、「受け入れる社会の実現」を目指す一躍を担うことが出来ればと考え、在宅就業支援セミナーを開催いたします。

『開催案内』
日時:平成22年2月26日 金曜日  13時30分~16時30分
会場:大垣市加賀野4-1-7
ソフトピアジャパンセンタービル10F 大会議室

(5) 検討委員会委員の所感

  1. 当事業や障害者の雇用・就労全般に関する所感
  2. 井村 保 氏

  3. 「障害者の在宅就業を活用した新たな職域に関する調査研究」に参加して
  4. 伊藤 真治 氏

  5. 委員会に参加して感じたこと
  6. 布田 孝文

  7. 「障害者在宅就業を活用した新たな職域に関する調査研究」の検討委員として参加して
  8. 堀込 真理子 氏

  9. 県外企業としての障害者就労・就業の取り組みと委員活動の所感
  10. 足立 重平 氏

  11. 「障害者の在宅就業を活用した新たな職域に関する調査研究」の検討委員会に参加して
  12. 空 英明 氏

  13. 在宅就業の職域拡大について考える
  14. 服部 光伸 氏

(6) 結論と提言

  1. 「障害者の在宅就業における新たな職域に関する調査研究」を終えて明らかにされた課題と提言について
  2. 上村 数洋 氏

  3. 調査研究事業を終えて
  4. 奥野 英子 氏

その他